上之蔵 (Uenokura)

　那覇市の久米の上之蔵（地図）です。

　こちらは首里牧志線（１番）、識名開南線（２番）、松川新都心線（３番）、識名牧志線（５番）、寒川線（１５番）、与根線（４５番）が停まります。　ご利用の際は変更等があるのでバス会社に確認してください。

　県道４３号線の上之蔵大通り沿いにバス停留所はあります。

　上之蔵は１９７１年まであった町名ですが、同年に久米や東町などになりました。

　上之蔵の「蔵」は、冊封使の渡来時の饗応するための倉庫であるチヂングァ（辻蔵）からきているようです。　この一帯は第二次世界大戦後に米軍が辻山とも呼ばれた上之蔵台地を削り取って平地となりましたが、チヂングァはその高台にあったので「上之蔵」の名称がついたと思われます。（角川日本地名大辞典を参考）

　ツジは丘陵の意で、もと那覇（東町と西町）の北側に位置する小字の上蔵（ウイーヌクラ）一帯の丘阜地を辻と称したが、のちに内辻とし、その西に続く地を外辻（新辻）としたとする。　～略～　本来の辻（内辻）は辻蔵に由来する上蔵に変わり、外辻が辻村になっていったのである。

（沖縄県の地名：平凡社より）　

　裏道に入ったところです。

　朝早く、風景写真をパシャパシャ撮っていたら、近くにいたカップルに睨まれて怖かったです。

　

　こちらは辻村跡（地図）。

辻村跡(チージムラアト)

　那覇の北西部にあった花街(はなまち)跡。辻村(チージムラ)、または単に辻(チージ)といい、女性が主体となって生活した場所であった。辻の女性は｢ジュリ｣と呼ばれ、｢尾類｣の字が当てられた。

　琉球王国におけるジュリの起源については不明だが、１５世紀以降、唐(とう)や南蛮(なんばん)（東南アジア諸国）、大和（日本）と交易を行った時代、中国からの冊封使一行や大和からの商人等をもてなした｢ジュリ｣が居たといわれる。『球陽』には、１６７２年に｢辻｣･｢仲島(なかしま)｣に村を創建し、そこに多くのジュリが住むようになったとあり、この頃、各地に居たジュリを｢辻｣･｢仲島｣･｢渡地｣の３ヵ所が琉球の花街として明治期まで存続した。

　１８７９年に沖縄県が設置されると、ジュリは１８歳で登録証(鑑札(かんさつ))が交付された。１９０８年に｢仲島｣･｢渡地｣の花街は廃され、｢辻｣に統合された。これにより｢辻｣は、政財界の要人、官公庁･教育界の指導者をはじめ、地元の商人などが出入りし、接待や宴会が行われた。また旅客が宿泊する場所ともなった。ジュリは、これらの客をもてなし、安らぎを与えるために、料理や唄･三線(サンシン)･琴･踊りなどの芸事にも磨きをかけた。｢辻｣は、沖縄県下最大の社交場、｢華やかな｣場所として知られた。

　一方、辻の女性は、｢アンマー｣(ジュリの抱え親・貸座敷の女将)を筆頭に、｢ジュリ｣、｢ナシングヮ｣(アンマーが産んだ子供)、｢チカネーングヮ｣(貧困のため幼い頃に｢辻｣に売られた子:｢コーイングヮ｣ともいう)などで擬制的家族を作り、｢辻｣の親･姉妹はもとより、故郷の親･兄弟をはじめ、人間社会における義理･人情･報恩を第一の教えとして生活した。また、神への祈りと祭りを取り仕切る｢盛前(ムイメー)｣と呼ばれる神職を中心とした女性による、女性のための自治組織を整え、二十日正月(はつかしょうがつ)の｢ジュリ馬(うま)｣行事を始め、言葉･立ち居振る舞いから、衣裳･髪型･料理･芸能に至るまで独自の文化を創り上げた。

　１６０９年の薩摩藩島津氏の琉球侵攻を経て、１６７２年に誕生した華やかな「辻」も１９４４年１０月１０日の空襲により消滅し、その幕を閉じた。

那覇市歴史博物館（ホームページ）より

　ジュリの「リ」の漢字が探せなかったので、その部分を省いたものを載せています。

　辻村は羽地朝秀が摂政のときに王府の管理下のもと、荒野だったこの地に娼妓を集めて開発されました。

　楼閣名には琉球の特色がよく表れていると思います。

琉球風：四つ竹様（ユチダキ）、染屋小（スミヤグヮー）

中国風：香々小（シャンシャングヮー）、雲登竜（ウンドウリュー）

薩摩風：助右衛門殿（シチウエムンドゥン）、庄左衛門（シーベードゥン）

（沖縄県の地名：平凡社より抜粋）

　それぞれスポンサーなどにかかわる楼閣名とみなされている模様。

次のバス停は…

那覇ショッピング前 (NAHA Shopping-MAE)